米大リーグ、マーリンズのイチロー日米通算4,257安打、ピート・ローズ氏の大リーグ最多安打記録を超える?
米大リーグ、マーリンズのイチロー選手が、6月15日のパドレス戦で日米通算4257安打としてピート・ローズ氏の大リーグ最多安打記録を超えてから一夜明けた16日、米メディアも42歳の快挙を大きく取り上げた。
イチロー選手が2014年までプレーしたヤンキースの地元紙、ニューヨーク・デイリー・ニューズは、日米合算についての両論を掲載。
「<世界一>の安打王になったイチローを祝福しよう。ローズは<大リーグ一>のまま。それでいいじゃないか」とする肯定派の意見を紹介した。
ピート・ローズ自身は、日米のメディアに語った「俺をキングからクイーンにするつもりか。記録は抜かれていない。高校野球のヒット数まで合算しているんじゃないか。日本の野球のレベルは低い」などのコメント。
その中で出てきているのが、「日米合算の数字であってメジャー記録ではないが、世界記録だ」という見方だ。
イチローと親交が厚くマリナーズ時代には共にプレーしたケン・グリフィー・ジュニアと、シニアの親子もスポーツイラストレイテッド誌にイチローの快挙への関連コメントを寄せていた。
ケン・グリフィー・ジュニアは、「(イチローを新しい通算最多安打記録の保持者と見なすことは)難しいのではないか。2つのリーグでの記録なので。とにかく、イチローは驚異的なアスリート。彼は年間に他の選手の2倍ものをヒットを打っている。敬意を表する。本当にすばらしい」と、ローズの記録を抜いたという見方に関しては否定的なコメントをしながらも、「マリナーズがワールドレコードと呼んだそうだが、それはすばらしいと思う」と、世界記録という捉え方に賛同する考えであることを明らかにした。
一方で否定派は、プロ野球・巨人や近鉄などでプレーしたタフィ・ローズ選手や元西武のアレックス・カブレラ選手らが大リーグではあまり活躍できなかったことを挙げ、「日本が大リーグのマイナーと同等だとは思わないが、大リーグと同レベルだとも思わない」とピート・ローズ氏の意見を支持。
■パドレス6-3マーリンズ 6月15日(日本時間16日)ペトコパーク
9回、日米通算4257本目の安打を放った。日本で1278本、そしてメジャーで2979本。不滅の記録と言われていたピート・ローズ(元レッズ)の大リーグ通算最多安打数を超えた。
1回の第1打席で捕安を放って日米通算4256安打としてあっさりと最多安打に並び、スタンドやベンチからの拍手に塁上で苦笑い。そして迎えた9回の第5打席、守護神のロドニーから痛烈な右二塁打を放ち、一気に抜き去った。スタンドのスタンディングオベーションに対しては、ヘルメットを取って応えた。
イチローが、誰も立ったことのない高みに到達した。オリックスの新人だった92年に18歳で初安打を放ってから25年。不世出の天才打者の通算安打数がついに「4257」に達した。「球聖」タイ・カッブだけでなく、不滅と言われていた「ヒット・キング」のピート・ローズの記録も抜き去った。
試合後は、日米報道陣の前で記者会見を行い、率直な思いを口にした。
「ここにゴールを設定したことがないので、実はそんなに大きなことという感じはまったくしていないです。それでもチームメートだったり、ファンの方だったり、ああいう反応をしてくれるとすごくうれしかったです。そこですね。それがなかったら、何にも大したことないですね」。
しかし、メジャーデビューした01年にア・リーグMVPに輝き、04年にはシーズン262安打を放ち年間最多安打記録を84年ぶりに更新。10年にはローズも達成していない10年連続200安打を成し遂げた。
日本球界を経ずに大リーグに挑戦していれば、ローズに匹敵する安打数に達していたと分析する専門家もいる。公式記録でなくとも、「史上最高の安打製造機」と呼ばれるにふさわしい圧倒的な実績を積み上げてきた。
しかし 日米合算の成績はあくまでも参考記録に過ぎない。
★イチロー(本名:鈴木 一朗〈すずき いちろう〉、1973年10月22日 - )は、愛知県西春日井郡豊山町出身のプロ野球選手(外野手)。マイアミ・マーリンズ所属。血液型はB型。